サイレントヒル3

このシリーズは初プレイである。喫茶店かどこかにいた女の子が、突然異界化した世界に迷い込む、という唐突な展開でゲームが始まり、徐々にその理由が明らかになっていく、というようなストーリー。
しかし、この唐突さがかなり長く続くからヤバイ。駅のホームに立っているときに、目の前を特急が走り抜けていくかのごとき置き去り感がある。だからまるで感情移入なんて出来なかったのだが、これはもしかしたら前作、前々作をプレイしていないからかもしれない。だったらまあしょうがないかな、とも思う。ただ、やっぱり後半、車の中での主人公の一人語りで過去の説明をしてしまうのは、せっかく映像と音のあるゲームなんだからもったいない気がする。途中で一度だけあったけど、例えばゲームをプレイ中に突然ニュータイプのあの音(キュピーン)のようなSEとともに過去の映像を挿入する、などということを何度か行って、それで最後はめまぐるしいカット数の映像を流すことで、完全に思い出したということを伝える、とか、そういうことを主人公の一人語りの前にやってくれればもっとスッと物語に入っていけたんじゃないかと思う。雰囲気のあるゲームではあるのでそこが少し残念だった。
あと、主人公の適当っぷりがこれまたいい感じだった。というのは、明らかに変な世界に迷い込んで、グロテスクな怪物に襲われたりしているのにもかかわらず、まったく主人公に緊迫感がない。例えば、次の場所へ行くための鍵がすのこのようなものの下に落ちているのがわかるにもかかわらず、あるアイテムを持っていないと、「あそこに鍵が見えるが上にダンボールが乗っていて取れない あのダンボールをどかすのはちょっと無理だし」みたいなことになる。おい!お前命かかってんだからそんなこと言ってる場合じゃないから!もっと本気だして本気!という感じである。他にも通路が中途半端なガラクタで塞がっていて隙間を歩いていけばドアまで辿りつけそうな場合でも「あのガラクタをどかすのは面倒だ」などと言う。面倒って……。いやー、ほんとマイペースっていいものですね。だからまあいくら進行上の都合だとはいえ、もう少し言葉を選んで欲しいものだなあ、と思った。
と、割と文句ばかり言ってるけど、別にそこまでつまらない、というわけではなくて、いい時間潰しにはなるので、ゲームとしての職責は十分果たしているのではないかと思う次第です。
追記:いまamazonの感想みたら、「カメラワーク悪い」って書いてあった。本当にそう思う!あれは改善すべき点として挙げられても文句いえないだろう。進行方向にカメラがあることが多すぎて先は見えないし、曲がり角ではよくわからん方向に進んだりするし。