クワイエットルームにようこそ

実際に観に行ったのは何日も前なのだが、観終わったときに、ああなんかこういうの最近どこかで見聞きしたような気がする、と思い、それからしばらくそれが何だったのかいろいろと考えていたのだけれども、いっこうに思いだせず、いつしかそんなことも忘れ、あいかわらずの日常へといつのまにやら戻っていたのだが、今日やっと思いだした! NHKトップランナー本谷有希子の回で朗読された、戯曲の一部の中に登場する台詞だった。

「…わたし、本当にめんどくさいから」
「めんどくさいのは、いやだな」
「めんどくさいのは、いやでしょ」
「めんどくさいの嫌でごめんな。めんどくさくてもだいじょうぶって言ってやれなくてごめんな」
「うん、平気。ずっと期待しないようにしてたから、平気」


(戯曲『乱暴と待機本谷有希子 NHKトップランナー放送より)

最後、あの明日香と鉄雄のやりとりはまさにこんな感じだった。なんというか、表に出てくる言葉だけがすべてではないのだ、という、ある意味ではごくあたりまえのことを、この映画も、今回引用した本谷有希子の戯曲の台詞も、すごく上手に表現していて、とてもいいなあ、と思った。
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