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理由をつけてやる(at the BAR)

「世の中には2種類の人間がいる。根拠のない自信を持てる人間と、そうでない人間だ」
会社近くのバーに初めて行った際に、そんな話をした。自分は割と理屈屋というか、小心者というか、こう、何にでも理由をつけようとしてしまいがちであるのだが、しかし、理由、より具体的に言えば、「自分が納得できる理由」なんてものが世の中のあらゆる事象において存在するか、というと、そんなことは全くない。逆にいえば、あらゆる事象に簡単に理由がつけられてしまうような世の中なんて、きっとつまらないだろう。
とはいうものの、理由がつけられない(=自分のこれまでの経験から判断ができない)と不安になってしまうというしょうもない自分のような人間は、はたしてどうしたらよいか。そこで、「根拠のない自信」理論が登場する。根拠なんてない、という理由を付与することで、それを根拠にして自信を持つ、ということだ。こういった逆説的な物言いは「よくわからないけど、なんとなく説得力がある」がゆえに、その危険性については十分に留意すべきではあるが、そもそも「よくわからないこと」について話をしているのであるから、「わからない」よりも「わからないの二乗」の方が、より一層わからなくなるから、諦めもつきやすいのではないか。
さて、「根拠なんてなくていいんだ!」と思うには、一体どうしたらよいか。その解決策のひとつとして、BARを挙げてみたい。厚い扉で閉ざされた先は、都会の喧騒から解き放たれた別世界。うっすらとしたBGMの中、グラスの中の氷が黄金色のウイスキーの中でからりと音を立てる。そんな些細な音の余韻をも楽しみながら、淡々とグラスを傾ける…。というようなことを、ある種の儀式として、日常に溶け込ませることによって、自信を持つことができるようになるのではないか。自分だけの場所、というか、自分だけの時間、というか、そういった「拠ることのできる場所」というものが、根拠のない自信においては、根拠がないがゆえに、必要なのではないか。そう考える。
というわけで、『バーのある人生』を読んでいるのだけど、とても面白い。

バーのある人生 (中公新書)

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