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さよなら妖精

読み終えた。面白かった。一応ミステリというカテゴライズがされてるけども(実際、ミステリなんだけども)、それ以上に青春小説的な側面に惹かれまくり、キュンキュンした。主人公の焦燥感にひたすら共感。この小説の主人公は高校生だが、もう25にもなった自分はいまだ焦燥感に駆られているので、なんだかなあ、という感じ。

文化年間の某は、半径三里程度のこの世を、充分に把握して死んでいけたかもしれない。比べるとおれは、高度な手法を手にしていながら、なにも把握していない。周囲が複雑すぎて、なにから手をつけていいかわからない。ならせめて道標が欲しい。道標が。
創元推理文庫さよなら妖精』p174より)

この部分を読んでいて、プラネテスの1巻のユーリがネイティブアメリカンの老人と話をしたエピソードを思い出したが、この道標が欲しいという感覚が、はたして周囲が複雑すぎるからという理由によるものなのか、それともただ若いからだという理由によるものなのか、それともその両方なのか、あるいはまた別の理由があるのかはなんともわからないのだが、「もっと楽しく毎日を生きていきたい」ということをずっと考えていて、きっとこの道標云々ということについて考えることは、「楽しい毎日」の足がかりになることなんじゃないかと思っている。あとは道標があったときに、それを信じて進めるかどうか、ということか。まあ、それはまた別の問題ではあるのだけども。

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)