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アメリカ民主主義の歴史を簡単に知りたい人に薦めたい(コリン・P.A. ジョーンズ『アメリカが劣化した本当の理由』)

『手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法』がとても面白かったので、同著者の別の本にも手を出してみた。表題はやや扇動的なものになっているが、合衆国憲法や大統領制、最高裁判所などのトピックをベースにアメリカの民主主義の歴史を追っていくことで、今のアメリカがどのようになっているかを説明しようとしている本である。合衆国憲法のそもそもの目的や連邦と州の関係、奴隷制とそれがアメリカ民主主義に与えた影響などが簡潔に平易な表現で記されており、「アメリカ=自由と民主主義の国」とステレオタイプな認識がいまだに抜けていなかった自分にとっては目から鱗の連続で実に面白かった。特になるほどなあと思ったのは、当初連邦の力を制限するために作られた合衆国憲法(および権利章典)が、通商規制権という「抜け道」によって、気が付けば連邦による州への規制につながり、結果連邦の力が大きくなっているというくだりである。
本当に面白く知的好奇心が刺激されるよい本だったので、今回は図書館で借りて読んだけど、今度購入してもう一度読み直したい。

アメリカが劣化した本当の理由 (新潮新書)

アメリカが劣化した本当の理由 (新潮新書)