マリアの指 乙一

失はれる物語
「失はれる物語」の中の書き下ろし作品。他の作品は以前に既に読んだことがあったので割愛。
本作は、死んだ女性の指をホルマリン漬けにして机の中にしまいこむ人間不信の少年の話。かなりフェティッシュな空気が漂ってます。乙一作品には体の一部分や一感覚のみに特化して書かれた作品ってのが多いですね。読後感は良くもなく悪くもなく。ただ、途中の自分と自分自身の人間不信回路との問答のあたりが会話文が多くやや冗長で退屈だったなあと感じました。個人的乙一作品内ランクでは中の下ってことで。
この短編集の中では表題にもなった「失はれる物語」が個人的には一番好きです。