誰も知らない

誰も知らない [DVD]
主演の柳楽優弥カンヌ国際映画祭で最年少最優秀男優賞を受賞したことで日本中の誰もが知るところなった映画、「誰も知らない」。先日レンタル開始したので借りてきた。
観終わって、「誰も知らない」というタイトルの意味が少し分かった気がした。誰も知らないというのは、例えば自分の子供を知らないことにして出て行くことの出来る母親だったり、認知されていない子供だったり、周りの住人に全く無関心な隣人や大家だったり、知っていても本質的な手助けをすることの出来ないコンビニの店員などを総括する言葉なんだろうと思う。そんな現代日本の無関心さを浮き上がらせると同時に、紗希といういじめを受けている女子中学生を登場させる。いじめというのはある人物に対する過剰な関心によって起こるものを象徴しているのではないだろうか。で、そんな正反対の状況で生きてきた2人がラストで空港から帰ってくるとき、今までに2人が経験してこなかった全く別の人間関係が2人の間に生まれている、という。それは恋とかそういうものじゃなくて、確かな意味でのつながりというか――ああもちろん昔の日本にある(今もあるか)しがらみとかそういうものじゃなくて――絆みたいなものだと思う。だから橋の上?かどこかを2人で歩いているシーンであのシンプルだけど深く染み入ってくる曲が流れてきたときに自分は感動してしまったのだろう。
あと、主演の柳楽優弥がやたら色っぽいな、と感じました。それと割と序盤の、網戸越しの京子の顔が陽光で照らされているシーンとかめちゃくちゃいいと思いました。エロティック過ぎる。
観て良かったなと思える映画でした。