囚人のパラドックス

レポートのネタ探しで読んでいた本に載っていて、面白かったので引用してみる。ちなみに、ゲーム理論などで登場する囚人のジレンマとは異なります。

アダム、ビル、チャールズの三人が刑務所に入っている。三人のうちどの一人に死刑が宣告され、どの二人が釈放されることになるかは看守だけが知っている。アダム(彼が殺される確率は1/3)は母親に書いた手紙を、ビルかチャールズのどちらか釈放されるほうに渡して届けてもらおうと思っている。ビルとチャールズのどちらに手紙を託したらよいか看守に尋ねたところ、情け深い看守はジレンマに直面してしまった。釈放される男の名前をアダムに教えると、アダムか残るもう一人のどちらかが処刑されることになるから、アダムが処刑される確率が1/2になってしまう、と考えたのである。看守が情報を秘しておけば、アダムの死刑の確率は1/3のままである。アダムには残りの二人のどちらかが釈放されることがすでにわかっているのだが、釈放される男の名前を知ることによって、彼が処刑される可能性は影響を受けるのだろうか?
(デボラ・J・ベネット「確率とデタラメの世界」第10章:確率のパラドックス より引用)