次、停まります
最近、スーツにロングコートを羽織って出かけることが多いため、駅まで行くのに自転車ではなくバスを使うようになったのだが、久しぶりにバスを利用してみて、自分が昔とはすっかり変わってしまったことに気がついた。何が変わってしまったのかというと、下車ボタンに対する自分の態度が、である。小学生の頃は、バスになんてめったに乗ることがないので、バスに乗るのが楽しくて仕方がなく、下車ボタンも下車予定の停留所の一個手前の停留所を出発した瞬間とかに押していた。もちろん、次は〜、という放送が流れる前に。我ながらかなりウザいガキである。しかし、今は全く逆で、ギリギリまで下車ボタンを押す気にならない。というか意図的に押さないで、誰かが押すのを待っている。下車ボタンを押すくらいすればいいじゃないか、と自分でも思うのだが、どうもなかなか腕が動いてくれない。先日も、もう停留所まであと20メートルとかそれくらいまで押さずにいて、停留所で待ってる人も誰もいなかったので、こりゃそろそろ押さないとまずいかな、と思ってボタンを押そうとしたら、目の前のおっさんが先にボタンを押したので、それを見て「勝った」とか思ってしまった。何だよ、勝った、って。ボタンをギリギリまで押さないのをチキンレースか何かとでも勘違いしてるんだろうか。馬鹿じゃないの。と、バスを降りて家に帰るまでの間に思った。反省を生かし、これからは積極的にボタンを連打していこうと思う。するな。
あと、あの下車ボタンってのは、何故か何とも愛らしいアイテムのように感じられた。今のは結構スタイリッシュになっているのでそうでもないが、昔のもっさりとした下車ボタンはもっと愛らしかった。こう、何というか、無骨で不器用な感じがとてもよい。ああいう古い下車ボタンを搭載したバスもまだ地方なら走っていたりするのだろうか。今度どこかに旅行に行ったときにでも、その地域のバスに乗ってみることにしよう。