バタフライ・エフェクト

「あー!!!あのときあのフラグ取り損ねてた…orz バッドエンド乙」とか、「おいおい、何で瑞佳狙いなのに澪ルート入ってんだよ!(古すぎ)」とか、「凛テラモエスハァハァ(;´Д`)(これももはや古い)」とか、まぁノベルゲー(エ○ゲ?)やってるとそういうことって結構あると思うのだが、そういうとき、プレイヤーは当然のようにセーブポイントに戻って、セーブポイント時点の状況からゲームを再開する。一番最初に戻って再開することもある(で、ctrlキー押しっぱなし)。これはもちろんのことなから、ゲームだから出来ることである。日常世界においては、時間の流れは不可逆で、過去に戻ることは出来ない。だから人は後悔ということをするのである。しかし、もし。過去の、いわゆる「人生における岐路」とやらに、戻ることが出来たとしたら……? この映画は、そんな能力を有してしまった一人の男の話だ。
僕自身、後悔することの多い人間なので、過去に戻りたいと思うことはしょっちゅうなのだが、この映画を観ていると、必ずしも過去に戻れることが必ずしもいいとは限らないよなあ、と思えてくる。

何かを求めれば何かが 音を立てて崩れてく
たとえ今日が終わっても 明日を信じて行こうよ
(FIELD OF VIEW「突然」より)

これは一昔前の曲の歌詞だが、この映画では「何かを求めれば何かが 音を立てて崩れてく」この部分が非常に強調されている。その結果、「生きなきゃ!過去じゃなくて、今を!明日を!」というメッセージが浮かび上がってくるように思えた。やっぱり、今日が終わったら、明日を生きていかないといけない。というか、明日しか生きられない、んだが。
時間逆行ものってまあドラえもんとかバックトゥザフューチャーとか、僕が知ってるだけでもそこそこあって、別に過去に戻って未来を変える、というネタ自体は全然新しいものではないけれど、この映画はとにかく作り方が上手かった。序盤はエヴァンの記憶の欠落というアイテムによって語られていない物語部分への興味を引き、後半でそれら伏線を使って実に見事な物語を展開していく。文句なしに面白い! みていてゾクゾクくるね。
ただ、後々には謎が解けるのだろうと思っていた、エヴァンの幼少時代の絵の問題が、最後まで語られてなかったのがちょっと気になった。何も語られないってことは、エヴァンはもともとそういう子だった。ってことなのかしら。それとも僕が見逃してるのか。あの刑務所のシーンの所で語られてたのかなぁ。うーん。
とても面白い映画だった。オススメです。