アタリマエ

レジの横に不要レシート入れを置くようになったのはいつからだろうか。コンビニが日本中に普及し始めたころからだろうか。そのあたりのことはよく知らないが、いまやほとんどどこの店にも不要レシート入れが置かれており、その中へ次から次へとレシートが放り込まれている。いらないものを次から次へと印刷するなんて、無駄もいいところだと思う。僕のバイト先には不要レシート入れがないため、レシートいりません、とか言って、勝手にレジにレシートを放って帰っていく人が多い。次のお客さんがいるときには、レジの上にあるそのレシートを捨ててからレジを打ち始めるため、手間がひとつ増え、ちょっと面倒だ。それもこれも、誰かが「不要レシート入れ」なんてものを作ったからである。そのせいで「レシートはいらないもの、店に置いていってよいもの」という意識が客側に根付いてしまったのだ。いい迷惑である。
あと、本にかける紙のカバー。あれも誰が最初に始めたんだろうか。本をよごさないためにもともとのカバーはついているのではなかったか。なぜその上からさらにカバーをかけるのか。電車内で読むから、とか、もともとのカバーを汚したくないから、とか、まあそのような理由があるのだろうと思うのだが、だったらもともとついているカバーはもう撤廃すればいいと思う。本自体に直接カラーで印刷すればいい。ペーパーバックスみたいな感じで。そうすりゃ無駄も減るのではないか。
こんなことを考えながら、ほとんど毎日のようにレジを打ち、本にカバーをかけている。本屋だけじゃないけど、とにかくサービスが過剰だと思う。レシートは捨てられてアタリマエ、本のカバーはたとえ漫画20冊でもかけてもらってアタリマエ、しおりはもらってアタリマエ、タイトルも作者名も全くわからなくても本は探してもらってアタリマエ、それで本が見つからなかったら「もういいよ」とかなげやりに言って帰っていくのもアタリマエ。なんなんだこれは。
僕は小売業には向いていないんだろうなあ、とつくづく思う。