レザボア・ドッグス

宝石店強盗をしようと集まった6人の男たち。互いのことは何も知らない。彼らは、ただ目的を達成するためだけに集まったのである。しかしそんな彼らは強盗に失敗してしまう。警察による強襲を受けたのである。命からがら逃げ帰った男たちは、どうやら6人の中に警察によるスパイが紛れ込んでいるらしいとして、次第に仲違いを始める……、という話。『パルプ・フィクション』や『キル・ビル』のクエンティン・タランティーノの監督デビュー作である。
ストーリーの軸となっているのは、「誰が警察のスパイなのか」というただそれだけ。けれど巧みな会話によって飽きることなく楽しく観ることができる。100分とさほど長くない映画なのに、登場人物それぞれのキャラがきちんと立っているのも凄い。一応のストーリーのメインとも言える「裏切ったやつは誰か」というのは中盤でわかってしまい、その後は、人を信じる信じない、みたいな話になるのだが、そういうのは多分この映画の場合は些細な問題で、ただ目の前の映画を楽しむのがいいんじゃないか、と思った。最後の三つ巴(じゃないけど)な対峙シーンも好きだけど、この映画で一番好きなのは冒頭のシーン。ほんとくだらねえ話からあのオープニングクレジットへという流れがとてもカッコいい。出だしがカッコいいと、もうそれだけで観てよかった、と思ってしまう。面白い映画だった。