キル・ビル vol.1/vol.2
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Vol.1の方は冒頭からアクションシーンで魅せてくれるし、後半も何十人もを相手にした一大殺陣を繰り広げるので観ていて実に楽しい。ただ、血がドバドバ出るのでそういうのがあまり好きじゃない人には薦めない。あの一大活劇のフィナーレ、一騎打ちの結末を観たときは思わず笑ってしまった。あんなにシリアスな場面なのにやってくれる。多くの敵が出てくるけど、個人的に一番気に入ったのは栗山千明が演じるGOGO夕張。いやー、あいつイッちゃってて最高だ!女子高生姿でモーニングスター(でいいのか?)をぶん回す、と、インパクトも抜群。ずいぶん昔に映画館で見た『バトル・ロワイアル』でもかなり怖い役柄を演じていてよかったと記憶しているので、これからもどんどんこういう役をやっていって欲しいと思う。
何か日本のはずなんだけど日本じゃないようなすこし不思議な世界観もいい。刀とか当たり前のように飛行機の中に載せていてびっくりしたけど、まああの世界ではそういうものなんだろう。刀を作ってもらったときのカウンターでのやりとりなんかも独特で面白かった。そういやあのあたりで『リリイ・シュシュのすべて』の『回復する傷』という曲が使われていた。あの曲は静謐で綺麗な曲だから、この映画でわりと重要な位置を占める刀の神聖さを際立たせていてよかったと思う。沖縄という共通点もある。
Vol.2は1に比べるとアクションシーンは少なくあっさりとした印象。どの戦いも一撃必殺みたいな感じで決まってしまうので少々物足りなさを感じなくもないが、でも本来の戦いというのはそういうもの(だと思う)なので、2ではそういう面を強調したのだろうか。まあ副題がザ・ラブストーリーだから抑えたのかもしれないけど。
気に入ったのは棺からの脱出シーンと修行の回想シーン。まさに血の滲むような努力。僕も7センチ先に敵がいたときのことを考えてこれからは行動すべきだなと思った。いつ何時生き埋めにされるかわからないんだから。
『レザボア』や『パルプ』とは少々異なるけど、すみずみにまでこだわりを感じることのできるノリのいい、面白い映画だった。刀を持って戦う綺麗なブロンドのお姉さんが好きな方や、タランティーノ作品の好きな方ならきっと気に入る映画なのではないだろうか。色々と元ネタ満載の作品らしいので、それらを探りながら観るのも面白いかもしれない。