一致
1年ほど前、授業中に観たモン・サン・ミシェルのビデオの中で流れている曲がとても綺麗ないい曲で、水のある風景にとても合っていて、ぜひまた聴きたいなあと思ったのだがしかし曲名がわからない。そのビデオを見る前にもその曲を聴いたことはあったので、僕が聴いたことがあるくらいだからきっと有名な曲に違いない、そう思って家族や知り合いに「ほらほら。こういう曲」と言って、とぅるるるるる(↑)るるるるるる(↓)、とその曲を口ずさんでみてもどうもニュアンスが伝わらない。ああもう頭の中には明確な音のイメージがあるのに、それを他人に上手く伝えることってのは何て難しいのだ!と悲しくなったが、月日は百代の過客にして、そのうちその曲のことも忘れ、いやー『すもももももも』は相変わらず良い萌え馬鹿アニメだわい、なんてなことを思っていたのが昨日の夕暮れ。それからレンタルショップに行ったところ、そこでたまたま「どこかで聴いたクラシック ピアノ・ベスト101」が目に入り、あの曲のことを思い出し、多分有名な曲のはずだからこういうオムニバスものに入ってるんじゃあるまいか、と思いレンタルしたところ、やっぱり入ってた! ドビュッシーのアラベスク第1番という曲だった。久々に、わからなかったものがわかることの嬉しさというものを実感した。クラシックなんて普段全然聴かないので、この6枚組みのCDはなかなか新鮮なのだが、意外と知ってる(聴いたことがある)でもタイトルは知らないという曲が結構あって、それらのタイトルと曲が一致して、楽しくなった。こんな些細なことでも楽しくなるんだから、やっぱり色々なものに手を出してみる方が面白いな、とあらためて思った。色々と知らないことを知ったほうが、世の中に対する自分自身の解像度があがる。もちろんときにはそれによって弊害も生じるだろうけど、そのときはそのときで。多分きっと、色々知ったほうがいいことは多いだろうと、今日は思った。明日もそう思えるといいのだが。