ジンセイ

大学のゼミの飲み会に行った。卒業以来なので、会うのは2年ぶりくらいだろうか。みなさん変わりなくてそれはそれで何よりなのだけれども、実はニートで求職中だったり、実は働いていても休職中だったり、大学院で単位を落としまくっていたり、色々大変なのだった。休職中の彼はSEなのだが、休日出勤、早朝出、残業のオンパレードと、SEというのは本当に過酷な仕事なのだなあ、とあらためて感じた。自分も就職活動のときにそういったIT系企業の内定を取っていたので、その会社の名前を挙げて聞いてみると「あ、それは俺のところのさらに下です(2次請け、3次請け的な)」とのことだったので、まさに九死に一生を得たといっても過言ではない。もしそっちに行っていたら、自分も今は確実に休職中または求職中であったことだろう。
じゃあ下請でなく元請は楽なのか、というと元請は元請で顧客対応で苦労するという別の辛さはあるわけであって、諸悪の根源はやはり顧客にあるのではないかと思う。
(顧客)超短納期での無茶な要求の押し付け⇒(元請)断る⇒(顧客)じゃあ別のところに頼もう⇒(元請)それは困るんで受けます⇒死亡フラグ立ちかつその無茶な要求が今後もスタンダードになり、さらにはより無茶な要求へ…
上のような負のスパイラルは、実はITだけじゃなく僕のいるメーカーでも当たり前のようになっていたりするのがおそろしい。例えば、コモデティ品のようなものは、競合他社品と品質という点での差はほとんどないので、いかに価格面(支払条件含む)、保証面、納期面等で顧客のニーズを満たすかが勝負になってくるからだ。そうなると、顧客も調子に乗って無茶苦茶なことを要求してくることがあるのである。
ただ、裏を返せば、そういった顧客もまた自分の顧客というものを持っているわけである。自分が自己の仕入先にそのようなことをしているのだから、当然自分自身も自己の得意先からそのような無茶な要求をされても無理はない。因果応報というやつか。
結局、お客様は神様だ、という言葉で代表されるように、金を出すものが全てにおいて正義であるかのような風潮がなくならない限り、上のような負のスパイラルがなくなることはないと思うけど、でもそれは資本主義である限り、なくなることはないのだろう。
所詮理想論でしかない、ということはもちろんわかってはいるけど、でも、それでも、みんながもっと幸せに生きていける形、というのは本当にないのだろうかと考えてしまう。