うらわ美術館に、ウィリアム・モリス展を観に行ったこと
昨日は一昨日の飲み会の(というか飲み会後の電車寝過ごしの)影響もあり一日中家でぐうたらとしていたので、今日はどこか外へ出かけようと思い、前日にiPhoneアプリの『展覧会ガイド』で知ったウィリアム・モリス展に行くことにした。会場はうらわ美術館。今の家からだとちょっと遠いけれど、たまにはいいだろう。昨日買っておいたしめじグラタン入りのパンを、ミックスジュースと一緒に食べ終えると、休みの日にしては早めの9時ちょっと前に家を出る。
東京駅で山手線に乗り換えると、またすぐに上野駅で乗り換え。今度は高崎線(東北本線?)だ。上野からうらわ美術館のある浦和駅まではだいたい20分くらい。東京駅から京浜東北線に乗っていってもいけるんだけど、こちらの方が近道だ。高崎線に揺られながら窓の外を眺めていると、荒川を越えて埼玉に入ろうとするちょっと前に星美学園という学校が見えた。そのときにふと、大学生の頃、塾の個別指導を受け持った女の子のことを思い出した。彼女は確か星美学園の中学校に通っていた。その塾でのバイトは色々あってすぐに辞めてしまったんだけど、辞める少し前にその女の子から、「前の先生もすぐに変わっちゃったから、先生は長くやってほしいなあ」とか言われたときには何ともいえない気分になった。あれから彼女はよい塾の先生に出会えたのだろうか? できたら、そうであってほしい。そんなことをぼんやりと考えていたら、気づいたら浦和駅に到着していた。
埼玉県の南東部に位置する浦和という街は、市町村合併でさいたま市ができる前は、埼玉県の県庁所在地だったところである。Jリーグの浦和レッズの街、といったほうが知っている人は多いかもしれない。埼玉県の文京都市とも言われており、自分も浦和にある高校の一つで高校3年間を過ごした。なので浦和駅あたりの勝手はわかってるはず……だったのだが、あんがい忘れていて、iPhoneで地図なんかを見つつ会場へ向かう。途中で須原屋という本屋の横を通りがかり、ああ、ここで高校の教科書買ったりしたなあ、などと懐かしく思う。須原屋を通り過ぎると、すぐに目的地のうらわ美術館があった。ウィリアム・モリスの紋様が鮮やかなポスターを横目に見つつ、会場内へ。観覧料は一人500円。
うらわ美術館入口 posted by (C)syndrm
ウィリアム・モリスは19世紀後半のイギリスで工芸家や画家、そして社会主義思想家としても活躍した、活動範囲の広い人だ。彼のデザインしたテキスタイルや壁紙には鳥や草花をモチーフにしたものが多く、それらの美しいデザインは20世紀モダン・デザインに大きな影響を与えたそうだ。
今回のうらわ美術館での展示は、フィルムでモリスや彼のパートナーらによってデザインされたステンドグラスのフィルムによる再現展示や壁紙、テキスタイルなど約90点で構成されている。入口を入るとすぐに、ステンドグラスの展示。順路に沿ってみていくと、だんだんといわゆるモリスの植物を用いたデザインがステンドグラスの中にも登場してきて面白い。後半はテキスタイルや壁紙を主とした展示。椅子やランプなんかも置かれていて、それらもモリスらの手によるものだそうだ。本当に色々なものを作ってたんだなあ、なんて思いながら本日の目当てのテキスタイルや壁紙のデザインを観る。……どうやったら植物や動物からこのようなデザインを考えられるんだろう?などと、観ていて思わず溜息がもれてしまう。その創造性のすごさ、そしてそれを形にできるすごさに感嘆しながら展示室を出て、2枚のポストカードを買った。そのうちの1枚はチラシにも使われている『るりはこべ』。葉でつくられた渦巻きとシンメトリーが美しい。そのときにリバティという生地が好きな知り合いのことを思い出し、同じポストカードをもう1組買った。リバティ好きならモリスのことも知っているかもしれない。今度聞いてみよう。
その後、歩いて北浦和公園まで行き、埼玉県立近代美術館によろうと思ってたんだけど、北浦和公園に着いたところで連絡が入り用事ができてしまった。そこで埼玉県立近代美術館にはよらずに、高校生の頃によく通っていたラーメン屋さんでお昼を食べ、家に帰った。今日はけっこう歩いたけど、暑さはそれほど気にならなかった。遅刻気味だった秋がようやくやって来てくれたようで、暑がりの自分は少しホッとしている。
ウィリアム・モリス展 posted by (C)syndrm
このチラシの左側に使われているのが、るりはこべ。