散文

涼しくなってきたのでようやくエアコンのない自室のパソコンの前に座ることができるようになった。
海に行った。3人で伊豆に。夜中に車で走っていって7時間くらいかかった。夏の真っ盛りを過ぎた海岸に人はまばらで、人を気にせず十分に楽しむことが出来た。釣りもした。堤防、のようなところで。釣りにはめったに行かないし、全然詳しくもないのだが、割と好きだ。投げた後のあの長い間がいい。ジリジリと照りつける太陽の下、ぴくりとも反応を示さず、時折くる大きな波による引きを魚が来たと錯覚して揚げてみると餌だけがなくなっていてしょぼくれる、ということを何度も繰り返すのはなかなか楽しい。何も考えず、無心で。心頭滅却。もちろん、釣れても楽しい。ただ、今回はあまり釣れず、僕が釣ったのは早朝に引っかかったふぐ1匹だけだった。キスでも釣れればよかったのだが。残念だ。帰りは高速を使ってかっ飛ばして行きたかったのだが、思ったよりも高速が遠く、高速を使っても行きとあまり時間は変わらなかった。でも時間帯が違うので、きっと下道を走っていたらもっと時間がかかっていただろう、と自分たちを慰めつつ、各々の家へと帰った。楽しい一日だった。

この3日ほど、部屋の大掃除をしている。大掃除も大掃除。今まで開けてはならないパンドラの箱よろしく全く手をつけていなかった押入れの片付けに数年の時を経てようやく着手することに成功したのである。いぇい。だが、終幕への道のりは険しい。本が多すぎて、しかもそれらをなかなか捨てられないからである。昔『捨てる技術』って本読んだんだけどなあ。うーむ。やはり掃除は技術ではなく精神が大事なのかもしれない。我、必ずや掃除を遂行せん、という強い意志が。意志薄弱の己には辛いことである。
片付けの途中で高校時代の物レポを発見した。実に懐かしい。あのとき一緒に実験をやっていた彼がいまやプロスポーツ選手になっているとは、世の中分からないもんだよなあ、と思う。ちなみに僕の物レポの成績はあまりよろしくなく、Aは一度のみでその他はほとんどBかCであった。今見ると自分のレポート感想のいい加減さに笑える。あと、その物レポの間から『SENSE OFF』の『birthday eve』の歌詞を印刷したものが出てきて、懐かしさを加速させた。『birthday eve』とか、『kiss the future』とか、『Ever stay snow』とか好きだったなあ。って、そんなことをいちいち思い出しているから片付けが全く進まないのであった。しかし振り返ってみると、高校時代というのは楽しかった、なあ。

幼少期に言語を学ぶと、脳の中にその言語に対応する何かが形成されてその言語を忘れないとか何とか、そんなことを聞いたことがあるが、ゲームに関しても同じようなことが言えるのではないか、と、上記で述べた海へ行く途中の車の中で友人と「FF古今東西」をして遊んでいるときに思った。自分が思っている以上にFFやDQというのは自分の中に染みこんでいるように思う。いや、細かいストーリーとかは忘れてるんだけど、骨格というか、そういうものと、それとは逆に枝葉の部分とをよく覚えている。FF3のスタート時のダンジョンで、ゴブリンが落とすポーションを使って武器を一段階ずつグレードアップする裏技もいまだに覚えていたりする。そういや数日前にDSでFF3が発売していたのだった。スクウェアの秘蔵っ子の3がついにリメイクされて発売されるというのはなかなか感慨深い。しかも結構大幅に変更もあるそうだし。DS版でもあの裏技は使えるのだろうか。久しぶりに新作ゲームを買ってみようか……。ここ最近やっていた『ワンダと巨像』『michigan』『機動戦士ガンダム 1年戦争』は軒並み途中で挫折したので少々不安ではあるけれども。携帯機の気軽さならいけるかもしれない。というわけで、ビルコレさん、新色のニンテンドーDS Lite欲しい! 楽しみにしてます!