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月崎


今年のゴールデンウィークに、千葉県の養老渓谷というところにサイクリングに行った。そのときに小湊鉄道の月崎という駅に立ち寄った。雨宿りをするためだ。その日は一日中雨が降っていて、僕も一緒に行った友人も、びしょ濡れになりながら走っていて心底疲れていた。そんなときに目の前に現れたのが月崎駅だった。月崎駅は無人駅のようだった(家に帰ってから調べてみたところ、一日の平均乗車人数は16人ということらしい)。ホームに出てみると、カメラを携えたおじさんが次の電車が来るのを待っていた。多分珍しい電車が走っているのだろう。
近くにあるヤマザキショップで食料を買い込み、駅舎の中で食べた。美味しかった。サイクリングというのは割とエネルギーを消費するため、食事が美味しくて仕方がないのでつい食べ過ぎてしまって困る。この日も案の定食べ過ぎてしまった。食べ終えた後、再度ホームに出て、線路の行く先を眺めた。雨は降っていたけれど、気分のよい線路だった。ふと、『夏草の線路』という曲があったことを思い出した。確か『Railway』という、今はなきemuというゲームメーカーによって作られたゲームの主題歌だ(僕は多分そのゲームはやっていない。記憶がない)。けっこう好きだった曲なのに、そのときまですっかり忘れていた。「大切なもの失うことも 変わることも忘れることも今日 取り戻して笑いあえる」この部分が昔はすごく好きだった。携帯で適当に写真をとっていると、電車がやってきた。赤い電車だった。車体には『KTK』と書かれていたが、何の略称かはわからなかった。カメラを持ったおじさんは何枚も写真を撮っている。車掌さんは女性だった。彼女は安全確認をすると、何かの合図をした。そして電車はゆっくりと走り出していき、やがて見えなくなった。
その後、駅の中を散策していると(といっても全然広くないんだけど)、ノートが置いてあった。月崎駅を訪れた人たちが何かを書いていくためのノートだ。見てみると、数ページしか書かれていなかったものの、みんなそれぞれ月崎駅への思いを綴っていた。僕と友人もせっかくだから何か書こうと思ったのだけど、なぜか蛍光ペンしか持っておらず、結局そのノートに書くことはできなかった。だから今、ちょうどこのときのことを思い出したので、ノートへの記録の代わりにここに記しておきたい。
会社のやりたくない課題をやらなくちゃいけないときは、色々なことが思い出されて困ってしまうね。ほんとうに。
追記:『夏草の線路』がyoutubeに上がっていたのでメモ。懐かしい…。