ゴッドファーザー

ゴッドファーザー [DVD]

ゴッドファーザー [DVD]

マフィア映画、ということくらいは見る前から知っていたのだが、そう思いながら見ていた序盤は、あまりにも陽気でハッピーに満ち溢れていたので、イメージと全然違うじゃないか、やはり先入観を持つのはよくないな、と思った。が、そんな華やかな世界のすぐ傍にある暗い部屋で徐々に進行していく「仕事」の話。ゴッドファーザーであるヴィト・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の凄みに威圧されつつ、物語は徐々に予想していたようなマフィア同士の大抗争に突入していく……。
物語はその大抗争から先も描かれていて、全部で3時間という大作だが、途中マンネリ化することもなく魅せてくれる。マイケル(アル・パチーノ)が単独でレストランに行くシーンは緊迫感たっぷりだし、ソニージェームズ・カーン)が無数の銃弾によって踊るように死んでいくあのシーンは、見ていて、人間なんて大したもんじゃないんだ、すぐ死ぬ、という無力感を感じた。そして終盤の教会。教会内で質問に対して「I do」と繰り返すマイケルの横顔と、マイケルの指示によって味方のギャングが次々に敵マフィアを殺していく場面が交互に繰り返されていくシーンは、圧巻。忘れられないシーンの1つになるだろう。
でも、そんな場面がどうこうとかそういうことよりも、一番よかったのはマーロン・ブランドの演技。すごすぎ。カッコよすぎ。あまりにもカッコよすぎたので鼻血が出まくって物語序盤のウェルツのベッドと同じような状態になりそうだった。ってのはまあ冗談にしても、明らかに風格が違いすぎた。あの存在感は凄い!
後半はマイケル中心で物語は進んでいくが、やはりこの映画のメインはヴィトで、彼が徐々に衰えていく物語だからであろうか、人がばんばん死んでいくにもかかわらず、全体としては実に物静かな感じの映画だった。面白かった。パート2もあるそうなので、今度見てみようと思う。