クリスマス・テロル 佐藤友哉

クリスマス・テロル invisible×inventor (講談社ノベルス)
それ行けユヤタン4冊目。
――こ、これは。なんというか。他所の情報によると、冬子=ユヤタン、真人=編集者、尚人=佐藤友哉の理想、岬=ファン、タキ=多くの既存の作家、というように読み替えると、現在のミステリ業界を痛烈に批判した作品となるそうだけど、それでもあの終章はやっぱり書くべきじゃないだろうと思う。たとえそれがネタだとしても。移り変わりの激しいファンに怒り消費される自らの物語に憤りを覚えるのなら、佐藤友哉はミステリという舞台で書くべきではないのではないか。それこそ自らを世界に注ぎ込んでジュンブンの世界で自分の文学を作ればいい。最近は新潮やら群像やらに短編をちょくちょく出してるみたいだし、本当にそっち方面に路線変更するのかな。だとしたら頑張ってほしいもんです。それがユヤタンにとって前進とまではいかなくとも少なくとも漸進であることを期待します。頑張れユヤタンユヤタンハァハァ。
問題作というのはこういうことだったわけですね、納得。とりあえずこれでユヤタンの既刊は全て読み終えてしまったので、次の「世界の終わりの終わり」か「色」シリーズの単行本化を首を長くして待ってます。今日はエナメルの新装版を買ってきました。再読するか。