信号
信号っていってもモールス信号とかRAS信号のことを指しているのではなくて道路から地上3〜4メートルのところに設置してある交通信号機のことを指しており、誰でも外出すれば必ず一度は信号との邂逅をはたすだろうと思われるが、それは僕とて例外ではなく、今日もいつものように駅から大学へ向かう途中、赤信号の前で立ち止まった。信号で立ち止まるといつも思うことがある。それは対面でない信号が赤に変わるのを見て対面の信号がまだ赤なのに横断歩道を歩き始める人がかなり多いのは何故だろうか、ということだ。別に交通ルールを守れとかそういうことを言いたいわけではなくて(そりゃ交通ルールを守ってくれないと僕が車の運転とか出来なくなるので困るんだけど)、僕が不思議に思うのは、どうして青になる直前までは我慢して待っているのに最後のわずか数秒だけが待てないのだろうか、ということである。なんかそれって信号機に敗北しているような気がしないだろうか。いや、まあ、何に関して敗北したのかとか具体的な説明はできないけれど。個人的にはその行為に何とも言えぬ敗北感を感じるのである。例えるなら駅に行って各駅停車が停まっていてその後に来る快速に乗ったほうが本当は早く目的地に着くのだけど、少しでも座っていたいなとか思って快速電車を待てずに各駅停車に乗って途中駅まで行ったら、その途中駅は快速の停まる乗り換え駅だからめちゃくちゃ混んでいて、その後来た本来乗るはずだった快速にぎゅうぎゅうに押し込まれながら乗ったところ、初めの駅で見かけた乗客がその快速の席に座っているのを見つけたときの敗北感、とでも言えるだろうか?……って、長すぎるし上手く例えられてないしっつーか全然違う?まあいいや。ともかく、僕はその行為に敗北感を感じるので、しっかり青になってから渡るようにしている。そんな信号機との我慢比べはこれからも続く。ずっと。多分死ぬまで。