異質な世界
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2005/08/05
- メディア: DVD
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以下感想。ネタバレ注意。
映像化されて、乙一小説の舞台設定がいかに風変わりか、ということをあらためて実感した。特にSEVEN ROOMS。あれは凄い。乙一の小説は異質な出来事が生じてもそれがあたかも当たり前のようなトーンで淡々と進んでいくあたりに、その独自性がある、と僕は思うのだけれども(例えば「夏と花火と私の死体」「しあわせは子猫のかたち」など)、SEVEN ROOMSは弟である少年がその役目を担っていたような気がする。姉も含め、他の部屋の人物の多くは訳も分からず殺されることに恐怖を感じていまにも発狂してしまいそうだが、全ての部屋を行き来できる少年だけは事実を事実として受け止め、落ち着いている。でもラスト、弟はみんなの為、いや自分の為に犠牲になった姉に対し涙を流す。そのギャップが感動を誘う。でもその涙はもう姉には届かない。弟もそれ分かっていて、助かった他の部屋の人たちと共に光に溢れる階段を登っていく。犯人は誰だ、とか、何の目的で、とか、姉はどうなったのか、とかそういうことが一切語られないままフェードアウト。素晴らしい幕の閉じ方だと思う。よかった。
その他の中では、SO-farそ・ふぁー、がよかった。リアルに徹した話。神木隆之介は適役だった。上手いなぁ本当に。うん。