違う場所

出張で北海道に行ってきた。行く前には今にも雨が降り出しそうだった東京と違い(事実、帰ってきたら雨が降っていた)、北海道は晴天だった。また、北海道はすっかり秋の装いで、木々も色鮮やかに染まり始めていた。空も高かった。飛行機だとほんの1時間ちょっとで行けるところだけれど、やっぱり違う場所に今自分はいるんだなあ、ということをそういうことから実感する。普段と違う場所に行くと、何だか少し気分が軽くなったような気もした。
行き帰りの飛行機の中は完全に自由な時間なので、プレゼンの資料読みもそっちのけで、本を読んでいた。『日本を降りる若者たち』という本を読んだ。この本は、様々な理由から、日本を飛び出して、海外、特にタイのカオサンというところに住むようになった日本人たちを追ったものである。「様々な理由」というのは、例えば日本の会社がどうも性に合わなかったからだとか、たまたまカオサンに来たらとにかく「ここだ!」と思ったとか、今で言うところのニートのような状態で実家にしばらくいたら段々居づらくなったから、だとか、本当に色々あるんだけど、無理やりまとめてしまうと、やっぱり日本社会って生き辛いよね、っていう感じがする。ただまあ、僕自身がもともとそう思っていて、それでこの本を手にとっているからそのように結論づけているということも多分にあるのだとは思うんだけど、でも、それでもやっぱりそういうふうに思う。ただ、突然じゃあお前カオサンに住めるのか、って言われたら、それは住めない。無理。勇気がない、と自分のことながら呆れてしまうね。

日本を降りる若者たち (講談社現代新書)

日本を降りる若者たち (講談社現代新書)