四季 春 森博嗣

四季・春 (講談社ノベルス)
森博嗣小説に登場する天才・真賀田四季の少女時代を描いた「四季」四部作の第一幕。
ミステリではなく詩のような小説でした。不自然な改行や、言葉のリズム、一枚のページにおける文字のレイアウトなど至る所が詩のそれのようです。僕はこういう雰囲気の文章は嫌いじゃないです。積極的に好きだと言えるほどでもありませんけど。
途中までは、なんでこう場面が途切れ途切れというか意味不明に繋がっているんだろう、とかよく分からなかったんですが、中盤を過ぎたあたりの説明でようやく納得。さすがは真賀田四季。天才です。幼少の頃の四季嬢は、僕の中では名探偵コナン灰原哀とやや被っていたりします。二人の持つ萌え要素が近いからでしょうか。
とりあえず真賀田四季好きな人は読んでおきましょう。そういう人は読んで損はないと思います。S&Mシリーズ未読の方は、本作には「すべてがFになる」の登場人物がやたらと出てくるので、少なくともそれだけは読んでからこの本は読みましょう。まあS&Mシリーズを読まずにいきなりこれを読み出す人はあまりいないとは思いますが。