マリア様がみてる ―イン ライブラリー 今野緒雪

マリア様がみてる ―イン ライブラリー (コバルト文庫)
新年初っ端に読んだ本が「マリみて」という。今年も去年に続いてマリみて年になるのか。とりあえずアニメ第三期放映を激しく希望。
今作はバラエティギフトのような短編集。瞳子短編「ジョアナ」のみ書き下ろしで、それ以外は過去の雑誌Cobaltに掲載されたものが集められてます。それらの短編がイン ライブラリーという「のりしろ部分(作者の言葉より)」で一つにまとめられている、という構成。イン ライブラリーから各短編への橋渡しは若干強引な印象を受けましたが(特に後半)、でも、あとがきで作者が述べているような効果は十分出ていると思いました。
書き下ろし以外の短編は雑誌のほうで既に読んでいたので、目新しさはなかったわけなんですが、どの短編もマリみてワールドをより確固たる世界にするのに一役かっています。今回の短編の中で好きなのは、ロサ・カニーナの「静かなる夜のまぼろし」。ロサ・カニーナがあんなにロマンチストだったとは……。やっぱ白薔薇がらみの話が一番僕の中における正統派百合のイメージに近いように思います。イン ライブラリー中で志摩子乃梨子が2人で寄り添うようにして一冊の本を読んでいる姿なんかもまさにツボなわけで。ああ、白薔薇万歳。
あと、今作では祐巳の鈍感っぷりがかなり気になりました。だって学園祭後に祐巳があんなことしたら、瞳子が妹申し込みを期待してしまうのも無理ないって。そりゃ瞳子が片眉をつり上げて仏頂面になるのも当然。祐巳は口では、妹を作らないと、と言っているけどそこまで真剣には考えていないような感じがします。そうじゃなきゃ瞳子可哀相すぎ。それにしても前作「特別でないただの一日」に続き今作でも相変わらず瞳子が可愛いすぎるんですが何か。これはやはりもう祐巳の妹は瞳子で決定か?
全体の印象としては、表紙絵のような穏やかな雰囲気の短編集、という感じ。レギュラーメンバーは活躍しませんが、マリみて世界が好きな人なら楽しめる内容だと思います。

さて、それはそうと。そろそろ妹を決めてしまってもいいんじゃないですか? 今野先生。本当お願いします。