少女セクト 玄鉄絢

少女セクト(2) (メガストアコミックス)

少女セクト(2) (メガストアコミックス)

ある女子校の女の子たちによって繰り広げられるめくるめく百合の世界。男がほとんど出てこず、綺麗な絵の可愛い女の子ばかり出てくるので、聖域というか、なんかある種の神聖さすら感じられた。全体に品がある。エロなんだけどエロくない。褒め言葉っぽくないけど、これは褒め言葉として。
1巻はオムニバス形式になっていて次から次へと新しいキャラが出てきて、全然キャラを覚えられず、各話末にある登場人物紹介を見て、「あー、そんな設定が」と、キャラと話を理解した。でも別の話にそのキャラが出てくると、誰だよコイツ、とか思ってた。作品中でキャラについて深く語られないので、思い入れとかもできない。1巻はただただ可愛い女の子同士が絡み合うという、雰囲気だけの漫画だと思う。ただ、その雰囲気はよくて、それだけでも十分だけど。
2巻は1巻のラストで引きを作ったあとの思信と内藤の物語が展開されていく。思信のキャラが1巻と2巻で全然違って驚いたけど、だがそれがいい、ので問題なし。テラモエス。2巻はストーリーがあるからか、ずいぶん読みやすくて、面白かった。2巻を読んだあとにもう一回1巻を読むと内容を理解できていいかもしれない。
個人的なお気に入りは第十一話。麒麟と思信の話。「…んじゃぁ 私の夢を聞かせてあげる」という台詞の後に語られる麒麟の思いが、上で述べたようなこの漫画の雰囲気とも相俟って、まさに脳天直撃クリーンヒットだった。読みながらうあうあと悶絶。
綺麗な絵、綺麗な雰囲気、百合、そういうのが好きな人にはこの漫画はよいです。僕は好き。エロ重視の人にはさほど薦められないと思う。「エロゲーっていったらやっぱりKEYのゲーム!」みたいな人に合ってるような気がする。なんとなくだけど。