家族ゲーム
- 出版社/メーカー: パイオニアLDC
- 発売日: 2001/08/24
- メディア: DVD
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食事シーンが非常に多く、BGMがないためにそのときの食器の鳴る音がダイレクトに伝わってくるのが何とも気味が悪いというか何というか、印象に残った。横一列に並んで食べる、というのも変わっている。あと、松田優作演じる家庭教師はあらゆるものを一気に飲み干してしまうのだが、そのときの飲み物がノドを通っていく音がやたら大きくて、気になった。
あの息子2人は自意識過剰で自分の好きなものにしかほとんど興味がないという感じで、何だかイマドキの子供のように思えた。この映画が作られたのは僕が生まれた年なのでもう20年以上も前の作品なのだが、古さはさほど感じられず、今の問題としても十分に認識できるような映画だった。それだけ森田芳光監督が物事の本質を捉えきっていたということなのだろうと思う。
最後の食事シーンは壮絶だが、あれは「こんな家族なんてもの簡単にぶっ壊せる」ということなのだろうか。家族の価値なんてないということなのか、あるいは、家族の価値を再認識したほうがよい、ということなのか。よくわからなかった。ただ、あのシーンは面白いことは確かだ。なんか、不安定な状態で立っているジェンガをわざと倒してしまうような感じ。小気味よい。
奇妙な登場人物たちの行動を面白がることもできるし、家族というものについてあれこれと考えをめぐらすこともできる、面白い映画だった。