禁じられた遊び

禁じられた遊び(トールケース) [DVD]

禁じられた遊び(トールケース) [DVD]

死というものについてあまりよくわかっていないポーレットとミシェルの2人が、十字架で遊ぶ、という話。2人は「生き物が死んだら土に埋めてその上に十字架を立てる」という行為をひたすらに続けていく。それでも、死というものについてよくわかっていない。馬に蹴られたミシェルの兄が亡くなっても、2人はまるでそれを現実として受け取ってないように見えた。だが、ラストシーン。施設へ連れて行かれる途中でふと一人になったポーレットは、ママ……。と呟いて駆けていってしまう。おそらくあのときにポーレットは死というものについての何かを理解したんじゃないかと思った。あんな幼い少女が人ごみの中を一人駆けていくのを見ると、グッとくるものがあった。
また、子供と大人の対立という問題も作中では度々描かれており、こういうのは今も昔も変わらないんだな、と思った。しかし、どんな大人も昔子供だったにもかかわらず、どうして理解し合う事ができないんだろうか。子供のせいなのか。大人のせいなのか。どちらのせいでもあるのだろうか。
あと、ポーレットとともに「戦争」が徐々にあの田舎の村に入り込んでくる描き方が上手いなあ、と思った。
それほど長くない映画なのに、色々なテーマが含まれていて、面白い映画だった。