一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する 鹿島田真希

一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する

一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する

「六〇〇〇度の愛」か「二匹」を読もうと思っていたんだけれども、見つからなかったので代わりにこれを読むことにした。短編連作作品。
舞台は学校で、女性である「私」の視点で物語はずっと進んでいくのだが、よくある「学校における青春物語」とはちょっと違う。淡々とした文章としばしば用いられる聖書的表現が、読んでいて不思議な感覚を抱かせる。舞台は現代っぽいのだが、全く現代らしくない話。もしかするとこの中の5つの話全てが聖書の中の物語を現代化したパロディなのかもしれないけれど、残念なことに僕は聖書についての知識をあまりもってないのでそのへんはよくわからなかった。もったいない。こういうのを読むと聖書も読んどいたほうがいいよな、とか思うのだけれど、そう思いながら結局いままでずっと読んでいない。自分で買ってしまえば読むだろうか。ううむ。
よくわからなかった、というのが正直なところ。面白くないわけじゃないんだけど、特に面白いわけでもない。聖書を一通り知っている人が読めば、ずいぶん印象も違うんじゃないかと思う。ただ、聖書を読んでいるからといって面白いのかどうかは僕にはわからないけれど。